今日は先日の母とのハワイ旅で、
色んな人の挑戦に触れ、
心に刻まれたことのお話です。
ちょっと長くなりましたが、写真もたくさんですので
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
そもそもハワイに行くことになった理由はこれだったのですが、
ハワイと言えばホノルルマラソン。
でももちろん私も70代の母も
42kmも走る体力はないのですが、
ホノルルマラソンと同時開催で、
10kmラン&ウォークというのがありまして、
ホノルルマラソンと同時にスタートし、
フルマラソンのコースの前半部分と同じコースを通り、
同じ場所でゴールするものがあると知り、
母がぜひ歩いて参加したいと言い、
私もおもしろそうだなとお供することになりました。
母はイベントやお祭りなどに参加するのが大好きなのです。
(ちなみに父は興味なし。)
母も私も長距離走は苦手で、
私は子供の頃からみんなが普通にできることができないほど体力がなく、
学生時代は学校の階段も三階まで上れないほどで、
毎日2階でしばらく休憩してから上っていました。
呼吸が上がり胸が苦しく、酸欠で頭が痛くなるのです。
今では車移動ばかりで、たまに出張で東京や大阪に行くと
電車の乗り継ぎに歩くので疲れたり、
横断歩道でちょっと走っただけで息切れする有様です。汗
昔習っていた趣味のバレエでは、いつも息苦しくて吐き気がし、
動けなくなるので酸素ボンベを携帯していました。
ですから10kmでも走るなんて全然無理なのですが、
ランではなくウォークでいいならできるのでは?と思い、
それでも10kmを通して歩いたことがないので
大丈夫かしらと思いつつ、
いや、これからまだまだ元気で生きるためにも、
やりたいことをしていくためにも、
10km元気に歩ける自分でいたいと思い、
いい機会、いい目標だなと思い、
私も楽しみに行くことにしました。
ホノルルマラソンは、フルマラソンでも
制限時間がない大会で、
多くの大会のように、この地点までを
何時間以内に通過しなければ失格ということがなく、
最後のランナーが走り終わるまで待ってくれることから、
フルマラソン初挑戦の人も多いそうです。
今回はフルマラソンに約2万4000人、10kmに約6700人が参加し、
8日(日)の朝5時にスタートしました。
朝5時に3万人を超える人が一斉スタートですから、
スタート前はすごい人で、
夜中2時ごろからスタート地点に人が集まり始めます。
私と母は朝1時半に起き、ホテルを朝3時30分ごろ出発し、
4時前には到着しましたが、すでに人・人・人でした!
スタート地点では音楽がかかり、
DJ?の人が「みんな完走したいか?!」
参加者「おー!」みたいなトークをしながら盛り上がっていて
すごい熱気でした。
( ↓ スタート前の様子。アラモアナのあたりです。)
待ち時間もあっという間で、
開始前にアメリカの国家を聴き、
いよいよ5時になり車いすランナーの方から順にスタートしますと、
(車いすで42km! 本当にすごいです!)
一斉に人が前に流れ出し、盛り上がりも最高潮!
予想タイムの早い人から前に並びスタートし、
全員がスタートするまでに30分ほどかかるようでした。
ゼッケンに埋め込まれたチップ?でスタートラインを越えたところから
正確にタイムを計ってくれます。
私たちは歩くつもりだったので
後ろのほうからゆっくりスタートしました。
スタートすると花火が次々に上がり、
まだ暗い空を見上げながらみんなキラキラの笑顔。
私もワクワクと大興奮でした!
スタートラインを越えると、走る人、歩く人様々で、
車いすランナーの方もたくさんいらっしゃり、
義足の方も何人も見かけました。
みなさん私よりずっと早くて、
ゼッケンでフルマラソンか10kmか、
予想タイムがどれくらいかがだいたい分かるのですが、
車いすや義足で42kmに挑戦する人も多く、
みんなすごい!!と本当にびっくりでした。
私の体力がないことなどチリのような問題だなと思い、
自分の世界の小ささを実感し、
挑戦するみなさんの輝きが眩しかったです。
( ↓ 大きな国旗を持って走る人も。42kmこれを持って?! )
始めはどんどん後ろから追い越されていましたが、
しばらく歩いていますと周りの様子が見られるようになり、
3歳くらいのお子さんと手をつないで歩く家族や、
小学生くらいの子供たちと走るお母さん、
ベビーカーを押しながら歩く人もたくさん見かけました。
中にはベビーカーを押しながら結構な勢いで走る人もいて、
びっくり!
あっという間に抜かされ、見えなくなりました。
すごい・・・
すごいなと思っていましたら、
今度は双子の赤ちゃんを乗せたベビーカーで走る人が!!
もうびっくりです!
若い人ばかりではなく、
母より明らかに年上に見える方もたくさんいらっしゃり、
ステッキをついて歩く人や、
片足を引きずりながら歩く人、
腰がすっかり曲がって丸くなっているおじいさんやおばあさんも。
10kmかと思えば、フルマラソンのゼッケンをつけている人もいて、
嘘でしょう?!本当に?!と
驚きと尊敬でいっぱいでした。
そんながんばる人もいれば、
楽しむ人もいて、
ドレスを着ている人がいたり、
私より年上に見えるご夫婦が二人でウサギの被り物をしていたり、
仮装していたりと、
周りを見ていて飽きません。
この誰でも受け入れる自由さがいいですね。
アラモアナからダウンタウン方面に進むと、
クリスマスのイルミネーションがきれいで、
まだ真っ暗な道沿いのお店の前にサンタさんがいたり、
地元の学生さんが応援の音楽を演奏してくれていたり。
給水所ではボランティアの中高生くらいのみなさんが、
元気いっぱいにお水を手渡してくれました。
みんな本当に素敵な笑顔!
これは元気出ます!
( ↑ 赤ちゃんをおんぶして走っている人もたくさんいました。)
私たちが通る時には
たくさんのランナーさんたちが通った後で、
給水所では道に紙コップがたくさん落ちていましたが、
それをボランティアさんがこうして掃除してくれていました。(↑)
マラソンはこうして多くの人の協力があって
開催されているのだなと実感しました。
地元の方の協力なしでは成り立ちません。
本当にありがたいことです。
しばらく歩いていると、すごい速さで私たちを追い越す人が。
見ると、なんと下駄、それも一本歯!
えー!これで最低10kmは歩くということ?!と、
またびっくり!
そしてすごい速さで遠ざかっていきました。
この日何度目かの、
私の体力って何?
できないなんて本当にあるの?
人の可能性ってすごい!
ということを噛みしめました。
ダウンタウンはクリスマスのイルミネーションでキラキラ。
(このあたりはたぶん出発後3kmくらい?だったかなと思います。)
初めて歩く場所で、まだ夜明け前で真っ暗で
朝1時半起きで寝不足でしたが、
楽しくてワクワク、ウキウキです♪
ふと見ると、
最初ははしゃいでいた子供さんが、
テンションが上がり過ぎて疲れたのか、
ぐっすり眠ってしまい、
お母さんがおぶっていました。
支えていないと落ちてしまうので二人がかりです。
家族みんなで助け合っていました。
10kmコースでもここからまだ半分以上あります。
大変だなあと思いながらも、
それでもこんな経験を家族みんなでするのは
きっと一生の思い出になるだろうなと
心の中で応援しました。
ダウンタウンを折り返し、アラモアナあたりで
少しずつ空が明るくなってきました。
(このあたりで6kmくらいだと思います。)
フルマラソンの人達は今頃
もうずっと先を走っているのだろうなと思いながら、
私たちも自分の道を歩きます。
ヒルトンハワイアンビレッジのホテルが見えてくると、
また給水所が。
(道が濡れているのは給水所の水です。)
水もうれしいですが、
ボランティアの人達の笑顔が何よりうれしいです。
こうして車いすをおして走っている人も。
これも制限時間がないホノルルマラソンらしいところかなと思います。
本当にいろんな人がいて、
どんなことでも挑戦できる、無理なんてない、
何度も何度もそれを見た気がします。
ハワイに行ったことがある人なら誰もが知っている
カラカウア通りの中心に差し掛かります。
右手にはロイヤルハワイアンセンター、
左手奥にはDFSがあります。
いつもはこの道は車道で、
人は歩道を歩いていますが、
今日は道の真ん中を歩きます。
太陽が昇ると日差しが暑いですが、
この時間は暑くも寒くもなく、
さわやかな気候で、歩いていて気持ちがいいです。
(上の写真は画像調整して見やすく明るくしていますが、
実際はまだ↓これくらいの明るさです。)
新婚さんらしきペアが、
何人か白いドレスとタキシードで歩いているのを見かけました。
こちらはお子さんも一緒に。
有名なモアナサーフライダーホテルも
クリスマスの飾りが。
ワイキキビーチが見えてくる頃に
太陽が少しずつ上がってきました。
3度目の給水所も元気いっぱいの学生さんたちが。
スタートから2時間以上たつのに
待っていてくれたのだなあと心があたたかくなりました。
あと片付けも、みなさん本当にありがとう!
ワイキキの海を右手に見ながら、
太陽の光が差し始める街を歩きます。
ちょうど木の間から太陽の光と、
正面奥にダイヤモンドヘッドが。
ここまでくればもう一息。
フルマラソンも10kmコースも
ゴールはカピオラニ公園です。
フルマラソンはダイヤモンドヘッドまで行って帰ってきますが、
私たちはこのままゴールです。
10km、ゴールです!
無事、母と一緒にゴールすることができました。
ただ歩いただけで走っていませんし、
フルマラソンや車いすの人などに比べれば、
なんてこともないことですが、
それでもこれまでこんなに歩いたことがなかったですし、
こんな大会に参加したのも初めてでしたから、
とてもうれしかったです(^^)
実は少し前に捻挫していた左足の甲が
歩いているうちにまた痛み出し、
だんだんとびっくりするほど腫れ上がってきましたが、
(治ってきていたのですが、使い過ぎて炎症を起こしたようです。)
後半は左足を引きずるような形で
それでもなんとか最後まで歩くことができました。
もう足は棒でした。
母と二人で、もう足動かないよね、と言いながら、
でも完走メダルをかけてもらいニコニコ。
ゴールの公園では、水やバナナ、マラサダが配られ、
色んなブースがあり、
みんなさわやかな笑顔でいっぱいでした。
ただ歩いただけ。
でも参加する前とした後は違います。
マラソンに限らずどんなことでも、
できるだろう、できないだろうと言ってやらないのと、
実際にやるのは全然違います。
たくさんの人のそれぞれの今を見て、
まだまだやれる、
無理なんて言うのは早すぎる、
人には無限の可能性があると
何度も教えられた時間でした。
( ↓ フルマラソンのゴール。)
私がゴールしたのが8時前でしたが、
(スタートするまでに30分くらいかかったので、
タイムは2時間半くらいでした。)
フルマラソンの早い人は続々とゴールしていて、
そのゴールを観に行きました。
1位の人はケニアの方で2時間8分でゴールしたとか。
すごいです!
私の10kmより早い!
見ているとみなさんすごいスピードで走ってきます。
私は10kmで足が棒なのに、
42km走ってこのスピード?!と本当に言葉もないです。
そういえば昨年のフルマラソンの最後にゴールした人は、
88歳の日本人で18時間かけて完走したそうです。
( ↓ そのニュース記事はこちら
朝5時にスタートし、23時までかけて42kmを最後までなんて、
本当にすごいですよね!
18時間立っているだけでもすごいのに、
88歳で42km・・・
私の毎日がどんなに忙しかろうと頑張っているつもりでも、
その方にはかなわないですし、
私がどんなに挑戦しているつもりでも、
その方の挑戦にはかなわないなと思いました。
人には無限の可能性がある、
どんなもっともらしい理由があろうと
挑戦しない理由になんてならないのだと、
その方や今回色んな人が歩いたり走ったりする姿から
心に刻まれました。
この人生でどんなハンデがあろうと挑戦はできるのです。
この素晴らしさを簡単に手放さないでいたいです。
翌日、ホノルルの街を歩いていますと、
フルマラソンの完走者Tシャツを着ている人がたくさんいました。
(今年はオレンジ色で「2019 Honolulu Marathon Finisher」と
書かれています。)
そのTシャツを色んな人が着ていて、
街中で若い人から70代、80代?の方まで。
小さな子供連れのお母さんや、
新婚さんや中年のご夫婦、
腰の曲がったおじいさん、
杖をついたおばあさん、
車いすの方、
家族みんなで着ている人も。
みなさん42kmも走った翌日、
元気にスタスタ歩けるなんて・・・と
またも驚きです。
母と、
「こんなにいろんな人がみんな完走しているなんて、
42kmってそういう距離だったっけ?!」
「いやいや、学生時代にあったマラソン大会は2kmで、
それすら本気でがんばっても走れなかったよ」と話しながら、
尊敬と羨望のまなざしでオレンジTシャツの人を見ていました。
日本でもマラソン大会はたくさんありますが、
制限時間がなく、誰でも申し込めば挑戦できる
ホノルルマラソンは素晴らしいなと思いました。
そして私たちの人生も、本気で望めば
誰でも何でも挑戦できることを思い、
なんて素晴らしい世界だろうと思いました。
自分なりに色んなことに挑戦しているつもりでしたが、
まだまだ色んなことに挑戦できる、したいと
心の底から思う経験となりました。
今年の最後に素敵な経験ができ、
大きなプレゼントをもらったような気持ちです。
両親の金婚式のお祝い旅行で
父の代わりに行ったハワイで、
こんな経験ができるなんて思いもしませんでした。
この気持ちを忘れずに
これからも新しいチャレンジに飛び込み、
焦らずマイペースで歩き続けていきたいなと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
読んでくださったみなさまにこのメッセージが届きますように。
p.s.
2020年のホノルルマラソンは12月13日(日)だそうです。
みなさまもぜひ(^^♪