今日もやわらかな春の一日でした。
すっかりあたたかくなり、窓を開けて過ごすのが心地いいですね。
夜はまだ少し寒いですが、
窓から入る新鮮な空気の中で
花開くエネルギーを感じながら瞑想をするのは
とてもいいものです。
今日は午後に瞑想をしていますと、
二つのメッセージがありました。
一つは、桜の木が土から水や栄養を取り込み、
上や外に向かって伸びていくエネルギーに満ちた姿と、
広がった枝につけたたくさんの花が舞い散る様で、
どちらも同じ一本の桜で、
どうあろうとコントロールしていない自然な姿が、
どうある時も美しい、そのままでいいのだ、と響いてきました。
咲く時は咲き、散る時は散る。
葉をつける時はつけ、葉を落とす時は落ちるままに。
あるがまま、そのままが自然で、
そうあるから美しいのでしょう。
またもう一つは、
花が咲いていない大きな木で、葉を茂らせていました。
日差しの強い日や、風の強い日、雨の日にも、
鳥たちが安心して羽を休める場所となり、
敵から身を隠す場所となり、
様々な鳥や虫たちにひと時、木陰を自由に開放し、
また元気に飛び立っていくのを見守っていました。
あれこれ世話をやくでもなく、勝手に使うなと怒るでもなく、
できることをどうぞと差し出し、
去っていけばそのままに、
今いる鳥やまた別の鳥や虫たちの場所となります。
そんな大きな木がそこにあるだけで
どれだけ役に立っているか、
そこに生きる意味を木は知っていようといなかろうと、
どっしりと自分の営みを続けています。
木は木として成長を続けています。
周りに振り回されず凛と立つ姿には強さと優しさがあり、
完全な存在です。
そんな2本の木のメッセージを受け取りました。
人は自分のことばかり考えたり、気にしたり心配したり、
また逆に家族や大切な人のことを心配し過ぎたり、
去っていくことを恐れたり、
嫌いな人やストレスな状況をどうにかならないかと悩んだり。
でも今日の二本の木は、
作為的でない、振り回されない、
ありのままで生きることの完全さを表していました。
そこでふと、無為自然という言葉が浮かびました。
これは老子の言葉で、
宇宙や自然に沿った生き方をし、
原理や変化を受け入れるという意味ですが、
がんばらない、何もしないという意味ではなく、
精一杯生き、努力もしながら、
あるがままを受け入れるということです。
多くの人は（私も含め）、
子供の頃から学んだこの世界の常識や価値観から判断したり、
忙しい日々の中で置き去りにし、
見て見ぬ振りをしていることがたくさんあると思います。
一つ一つは小さなことですが、
例えば、体が疲れたと言っているのに
周りに迷惑をかけられないからと無理をしたり、
心がイヤだと言っているのに大人の常識だからと
心を無視したり、
あまりお腹が空いていないのに、もう何時だからと食べ、
食べ過ぎると胃もたれしたり、
お酒をたくさん飲むと二日酔いになると分かっているのに、
体に負担をかけて食べ過ぎたり飲み過ぎたりするなど、
見ないフリをして「たまにはしょうがない」で
済ませていることがあるのではないでしょうか。
そんなことがあることに気づき目を向け、
体や心の声を聞き、聞いたことに添い、
自分を自然のままに戻してあげながら生きることが、
今日の二つの木のメッセージであり、
無為自然という生き方につながるのだろうと思います。
ありのままに生きるとか、自分らしくとか考える時、
自分のありのままとはどんなものかや、
どんな仕事が自分らしいのかと考える人は多いと思います。
ライフスタイルや仕事、生き方に個性を生かそうと
考えたりもします。
それもとても素敵なことで私もそれは考えますし、
いいなと思うのですが、
同時に普段の自分の小さな体や心の声に
もっと意識を向け、もっと大切に心に留め、
そう生きることをおろそかにしないでいたいなと思います。
仕事やライフスタイルなどの外側ばかりではなく、
自分の体や心の声に添い生きることで、
自分という一人の人間が、不自然でアンバランスな状態から、
自然な状態へと調和していくように思います。
体や心の声を聞くという時、
よく「聞きたいけれど聞こえない」
「分からない」と言われますが、
これはそんなに難しいことを分かろうとしなくても、
先ほど書いたようなことは、
みなさん思い当たることがあるのではと思います。
疲れているのに無理をしたり、
会いたくないのに断れず会ったり、
体によくないと知りながら忙しくてジャンクフードが続いたり。
その「疲れている」「会いたくない」などの部分が
体や心の声で、
それが聞こえているのに、常識ややるべきことを優先し、
体や心の声を軽視してスルーしているのです。
せっかく聞こえている声を無視していると、
聞こえている意味がないですし、
無視しているとだんだんと声が聞こえなくなってきます。
ですから、難しい声を聞こうとするより、
いつも聞こえている声にまずは従うことから
始めるといいですよ。
小さなことから自分の体や心の声に添うことから始め、
それを実行していると、
少しずつ更に声が聞こえやすくなってきます。
そうして体や心の声を聞き、添って生きることが、
あるがままや無為自然というような姿に
つながっていくのだと思います。
いきなり大きなことを目標にしても、
難し過ぎてできませんから、
まずは今日一つ、自分の声を他のことより大切にすることから
始めてみてはと思います。
眠いからすべて放り出して早く寝る、
というようなことでいいのです。
それを続け、増やしていく先に、
自分らしい生き方や人生が見えてくるように思います。
今日瞑想でつながった二本の木のように、
みなさまの毎日があるがままの姿で
ご自身が自然、宇宙と調和したものでありますように。
（自分を知りたい方は瞑想はおすすめですよ(^_-)-☆）
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瞑想歴24年 和歌山市在住 北山裕子
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