今日も春の日差したっぷりの美しい一日でした。
いつもの同じ近所の散歩が、
二月は冬枯れの静謐な雰囲気で、
三月の終わりには溢れるばかりに桜に包まれ、
今は若葉の緑が輝いています。
日ごとに見たことがない姿にどんどん変化する散歩道に
毎日驚くばかりです。
同じ街の、歩いていける範囲の
小さなエリアにずっといても、
自然があるとこんなに違う景色になるのだなぁと
和歌山にいた頃より実感しています。
（和歌山の家は住宅街の中でしたので。）
住めば都と言いますが、
自分が今いる街の素敵なところを
たくさん発見し、毎日楽しんで生きたいですね。
さて、先日たまたま
久しぶりの知り合いと会ったのですが、
その人（Aさんとします）は
昔から明るくて友達が多く、
おおらかでグループの中心になるような人でした。
ただ昔から時間にルーズで、
「ちょっと遅れます」という一言メールで
3時間遅刻なんて普通で、
散々待たせた挙句「今から向かいます」とか、
時には「今日は無理です笑」と
謝ることなく普通に言う人です。
それが特別な用事ではなく
用事などなくてもただ遅刻するのが日常の人でした。
（県民性ではありません。ちなみに関西人です。）
私はそこまで親しいわけではなかったので
まだよかったですが、
これは周りの人は大変だろうなと思っていました。
もう随分前ですが、Aさんと一緒に
別の友人との待ち合わせ場所に移動する時に、
いつものごとく
時間に間に合わなくなるとわかっているのに
わざわざ遠回りをして、
時間が過ぎてもカフェに入って道草をするので、
一緒にいる私は、みんなが待っているのだから
いい加減に行こうよと何度も言ったのですが、
遅れても急ぐこともなく、
「待たせておけばいいじゃない」と
むしろもっとゆっくり遅れようとするので、
ヤキモキしたことを覚えています。
そしてすごいことに、
4時間待たせた相手に
「遅くなったわ〜笑」の一言で
特に謝ることもなかったことに衝撃でした。
そんな人ですから
何を考えているのかわからず、
ちょっと苦手だったのですが、
でもとても優しいところもあり、
人のために働いたり、
自分の意見より相手の意見を尊重する
我を張らない素直さもあり、
だからなんだかんだ言って
みんなその人のことを憎めずにいましたし、
私もそうでした。
そんな知人に久しぶりに会ったのですが、
当時と同じように時間にルーズで、
そうだった！こういう人だった！、と、
相変わらずなその人を
ちょっと懐かしく思ったり、
本当にい優しいい人だけれど、
やはりちょっと苦手だなと思ったり、
でも根はいい人だなぁと
好ましく思ったりしたのですが、
ふと、Aさんの他の行動ぐせのようなものが
思い浮かびました。
昔を思い出すと、遅刻以外にも、
人にちょっとした無理をさせることがよくあり、
例えば、お金を貸してと言ったり
（額は数千円くらいですが）、
ちょっと面倒なこと、手間なことをわざわざ頼んだり、
物を預かってと頼んだり、
相手が興味がないことに付き合わせるなど、
ちょっと「え・・・」と思うけれど、
できないほどではないような、
絶対イヤだといい切るほどでもないような、
でも正直迷惑だったり、したくないと思う、
微妙な頼み事を日常的によくしていて、
今も変わっていないようでした。
それに気づき、
なぜこんなことをするのだろうと思ったのですが、
本人は多分自分がしていることに無自覚で
気づいていないようで、
これはもしかして、
ただのルーズな人ではなく、
そうやって相手に無理をさせ、
それを受け入れてもらうことで
愛されていることを確認したいという
潜在意識からの行動なのかもしれない、
自分のために代償を払わせ、
自分のために無理をしてくれることで、
自分は愛されていると納得できるのかもしれないな
と思いました。
これは私の勝手な解釈ですから、
見当違いかもしれませんし、
Aさんが聞いたら勝手に決めつけないでと
不快かもしれません。
でも試しにそうかもしれないと思って
色んな行動を振り返ると
辻褄が合うので、
100%正解だとは思いませんが、
もしかするとそんなところもあるのかもしれないな
と思いました。
そう思ってAさんを見ると、
時間にルーズな部分も、
人に無理な頼みをするところも、
ただ愛されたいと願い、
自分のことをいつも見ていて欲しい、
自分を一番に考えて欲しいと願う
ピュアで小さな子供のように感じ、
なんだか愛おしくなりました。
Aさんが本当はどうであるかは別にして、
多くの人は赤ちゃんの頃や幼いうちに、
自分のままでは愛されないと学んでしまい、
自分なりに、愛を得る方法や、
愛されていると実感できる証拠をもらう方法を
編み出します。
例えば、泣けばお母さんが抱っこしてくれるとか、
泣いてもダメなら拗ねるとか、
拗ねてもダメなら口を聞かないで無視するとか、
自分を蔑ろにできないくらい
悪いことをして困らせるなど、
どうすれば自分を一番に大事にしてくれるかを
無自覚で試し、
一番効果があったやり方を
今も使っているものです。
大人になってもずっと無自覚で
その方法を使って
人から愛されていると確認したり、
人だけではなく、
仕事や他の大事なことより、
親やパートナー、友人などにとって
自分が一番大事だと実感しようとします。
根っこの部分では幼い子供の頃と変わらず、
ただ愛されたいと願っているのでしょう。
そんな方法を使って人を試さなくても
もう愛されているのに、
でも無意識で自分は愛されないと
思い込んでしまっていると、
試さずにはいられず、
つい無理なことを言ったり、
冷たくしたり、
困らせたりしてしまう人も少なくないようです。
でも他人から見れば
そういう人はただの困ったちゃんで、
わがままで自分勝手に見えることも。
そんな人を苦手だ、嫌い、迷惑と感じる人も多いです。
私もAさんをそう思っていたのですが、
もしかするとそんな想いが根底にあるかもしれないなと、
今までとは違う視点が生まれたことで、
ただのルーズな人、無理を言う人ではなく、
本当はただ愛されていると感じて
安心したいだけなのだ、と
受け止めることができるようになり、
間違っているかもしれませんが、
前よりは理解できるようになり、
以前のように苦手だとは思わなくなりました。
Aさんをどうにかしてあげたいなんて
本人が望んでいないことは大きなお世話ですし、
絶対にそうだと決めつけることも
それこそ自分の狭い経験と知識からの
勝手な思い込みかもしれませんから、
それが正しいとは思いませんし、
何が正解かなどはどうでもいいのですが、
ただ、今まで持っていなかった新しい角度から
人を見る視点が、
自分の中に一つできたことはよかったなと思います。
人を上から見てどうにかしてあげようと思うのではなく、
どんな人も、どんな現実も、
自分の気づきを促してくれる
大切なヒントだと受け止め、
自分の視点を少しずつでも
広げていけるといいなと思います。
視点が広がると、
人を見る目が優しくなり、
自分のことも好きになり、
世界をもっと愛せるようになります。
もしかするとみなさまの周りにも
同じようなタイプの人が
いらっしゃるかもしれませんし、
自分にそんなところがあるかも、と
気づいた方もいらっしゃるかもしれません。
そんな気づきがもしあったなら、
それを大事にし、
今日のお話が
視点を広げるヒントになればいいなと思います。
最後に一つ。
そんな風にして愛されていると
確認しても、しなくても、
どちらでも、
あなたも私も、
ずっと今まで愛されてきていますし、
今も愛されていますよ。
すでに愛されていることに気づく
素敵な一日となりますように。
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