今日は寒いながらも澄んだ青空が広がる気持ちのいい一日でした。
朝目覚めると明るい光が部屋に溢れていて、
こんな美しい世界に目覚めることができ、
なんてきれいなのだろう、
なんて幸せなのだろう、と思いながらゆっくりと深呼吸しました。
ああ、今ここで息を吸っている、
たっぷり新鮮な空気が体に満ちている、と思うと、
私の肺や心臓、血液、細胞が喜んでいるのを感じました。
ゆっくり呼吸に意識を向ける時、いつもそう感じますが、
呼吸一つで幸せを感じられる私は本当に幸せ者だなと思います。
何もなくても、何があっても、呼吸すれば幸せを感じられるのですから。
こんな自分になれるとは昔は思いませんでしたから、
昔の自分に教えてあげたいなと思います。
幸せは一生懸命幸せだと思おうと努力するものではなく、
ただ感じるだけなのだと。
昔はどんなに恵まれた環境にいても、全く幸せだと思えず、
また恵まれているのに幸せだと思えないことが悲しかったです。
例えば20代の頃は、今よりずっと若いぶん
見た目も今よりきれいだった（はず。笑）と思いますし、
ないながらも体力も今よりあったと思います。
どんな未来も選べる可能性が広がっていて、
恋人も友達もいて、小さな頃から憧れた仕事に就き、
とても恵まれた状況だったと思いますが、
どうしても幸せを感じることができませんでした。
よく覚えているのですが、20代の色々悩んでいた時に、
「空を眺めるのが好きで、
その美しさを見ているとだんだんと幸せを感じられる」
と言っていた人がいて、
私もあるよく晴れた日に、
試しに車を運転しながら空を眺めたのですが、
確かに晴れていて言われてみれば美しいのでしょうが、
全く何も感じられず、ただ空があるだけで、
美しいと感じられない自分が悲しくて、
運転しながらボロボロ泣きました。
きれいなはずなのに心に響かなくて、
恵まれているのに幸せを感じられなくて、
生きているのが苦しくて、
でも何かを手に入れたら幸せになれるとも思えず、
美しいものを見るとかえってそんな自分を思い知り、
余計悲しくてなっていました。
そんな私が今は空を見て美しさに毎日感動し、
幸せを感じるのですから、
人は変われるもので、誰もが幸せになれるのだと思います。
（ニュージーランド 北島 ハミルトン近郊にて。）
その当時と今を比べると、
当時の方が条件的には恵まれていて、
今よりずっと色んなものが揃っていました。
普通なら幸せを感じられない時、
やりがいのある仕事をしたいとか、
経済的な余裕があればとか、
心ゆるせる恋人や家族が欲しいと思い、
それを手に入れるためにがんばるのでしょうが、
私はそれがあったのに幸せだと思えなかったので、
どうしようもなかったのです。
それだけ揃っていてもそんな状態でしたから、
やはり幸せは条件や状況ではないということですね。
それがはっきりと経験できたおかげで、
何かを手に入れることに躍起にならず、
心の在り方に向き合うきっかけとなったことを
今では感謝しています。
つい人は状況を改善したい時、外に目を向け改善策を考えますが、
幸せに限らず多くの問題の原因や解決策は内側にあります。
外側をどうにかしようと考えるより、
内側、自分の心や思考の在り方を見直すことで解決することは多いです。
人間関係でも、経済的な問題でも、
家庭のことでも、仕事のことでも、
心の在り方一つで驚くほど状況は変化します。
その心の在り方をどうやって変えるかですが、
昔の私のように、美しいものを美しいと感じられないなら、
焦らずに、荒れた畑を耕すように、
少しずつ掘り起こして土を柔らかくしていくことからです。
その作業は、早くどうにかしたいから誰かやって！
という訳にはいかず、
手っ取り早い秘策もなく、
ただ丁寧に自分で掘り起こしていくしかありません。
そこは手抜きをしてはいけないところです。
心が感じることに耳をすまし、
心が何を言いたがっているのかを根気よく聞き、
それを受け止めていくことです。
その中で、こうあるべきという思い込みや、
正しさの価値観、他人との比較など
自分を受け入れられない、許せない部分に出会い、
それも含めて愛していく時、人は幸せの中に在るようになります。
例えば、味覚に敏感な人はペットボトルの水の味の違いを
感じることができますが、
普段から気にしない人は難しいものです。
普段日本酒を飲まない人にとっては、
日本酒の味の違いもわかりません。
でも味わい分けようと意識して毎回飲んでいると
だんだんと分かるようになってきます。
感覚はそうして磨いていけるものです。
今ある幸せも、いきなり感じるられなくても
意識して目を向けていくと、自然と感じるようになってきます。
飲みなれていない日本酒のどこが美味しいのか分からないのと同じで、
幸せも、はじめはあっても幸せを感じられなくても
だんだんと自分の心の奥が喜んでいるのが分かるようになります。
焦らずにじっくりと幸せを感じる練習から始めると、
必ず自然と「ああ、空がきれいだなぁ、幸せだなぁ」と
感じる自分に出会えます。
まずは美しいものをたくさん見て、聞いて、触れてみることです。
違いがわからない日本酒だと思って、
何も感じられなくてもそのまま続けてみてください。
ある時、ふと「昨日より今日の空の方がなんだか好き」など、
感情を持って見られるようになってきます。
そうなったらあとは楽しみながら進めば大丈夫です。
平行して瞑想をするのもおすすめですよ。
あの日泣きながら運転した道を、今もたまに通りますが、
その度に空を見上げて幸せだなぁと感じる自分が
うれしいです。
こうして手に入れた幸せは、条件で得た幸せとは違い
失うことも逃げることも誰かに奪われる心配もなく、
ずっと私の中にあります。
そんな幸せがすべての人のものでありますように。
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瞑想歴23年 和歌山市在住 北山裕子
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