以前、未来への不安や心配でいっぱいで、
過去の辛い記憶に溺れ、全然今を楽しむことができなかった私から、
少しずつ変わり出した時に初めて気づいたのですが、
それまでは移動中にぼんやりしている時や、
一人で食事をしたり掃除をしたりしている時には、
誰でも頭の中で未来への不安や過去の悲しい記憶を
思い出しているものだと思っていました。
でもある時、（それは旅の途中で車で移動中でした）
何故こんなきれいな景色を見ながら
そんな楽しくもないことを考えているのだろう？と思いました。
もしかして、旅の途中でも通勤中でも、
移動中にぼんやりしている時に
何度もそんなことを繰り返し思うのは
当たり前ではないのかも？と。
そして、「あ、そうか、自分でストップすればいいのか」と思いました。
今となっては当たり前のことですが、
自分で何を考えるかは、自分で選べばいいのですよね。
でもそれまでは、勝手に頭や心に浮かんだことに流されているだけで、
それはまるで自分という映画館で、
自分が見たくもない様々な映画が
繰り返し勝手に流れているようでした。
自分の頭の映画館で上映されるのに、
自分で選んでいなかった、まるで自動放映だったと気づきました。
地球は宇宙から見ると「悲しみの星」と呼ばれているそうですが、
私たちのエゴは過去の悲しみや未来の不安を
繰り返し思い出すのが好きなようで、
もう済んだ辛かったこと、苦しかったことや
これからの不安を、
何度も同じように辛く感じながら頭で再生します。
そんなに不安で辛いなら、考えなければいいのに、
自動放映に気づかず、みんな自分で止めようとしないようです。
でも自分の頭の中で何を考えるかは、
自分で選んで決めればいいのだと思い、
その時から気づいたら止めるようにしました。
その旅では自然の中を車で移動することが多く、
ぼんやり景色を眺めていることが多かったので、
一日の長い時間、ぼんやりしていると
頭の映画館は何かを上映したがり、
気づけばその時に思い出しては苦しくなっていた辛いことを
考えていましたが、
それに流されて見ていた（考え、悲しんでいた）ことに気づくたびに、
「あ、また考えていたな。」とストップするようにしました。
そうして自分で自覚できると、ストップできるのです。
よく辛いことで頭がいっぱいで、と言う時に、
代わりに楽しいことを途切れず自動上映するようにしよう
と考える人もいて、
一生懸命楽しい未来の夢を考えようとしたりする人もいますが、
それはなかなかストレスになることもあります。
私の経験では、幸せになりたいなら、
無理に楽しい夢を上映しようとするより、
自覚してストップするだけで充分です。
ストップすると、今目の前にあることに意識が向き、
今にあることができるようになり、
すると今ある喜びを感じられるようになります。
頭の映画館は上映を止めるだけで、
自然と今生きているリアルなこの時を味わい楽しめるようになります。
楽しい夢をがんばって上映させなくても、
今にあれば私たちは幸せにつながることができるのです。
（北海道 富良野にて。）
頭の映画館の上映をストップさせるには、
ただ上映しているなと気づくだけです。
2度と上映させないぞ！と意気込んだり、厳しくしなくても大丈夫です。
また上映が知らない間に始まったら、
また止めればいいだけです。
そうしていると、自分が何を考えるかを意識できるようになり、
考えてもどうにもならないことは
「あ、それは無駄だからいらないや」とストップでき、
余計なことで悩むことがずっと減ります。
そうしていると、今までと同じように
通勤の車窓をぼんやり眺めていても、
前は悲しい過去に浸っていたのが、
今日の空の色はなんとも言えずきれいだな、とか、
鳥が低く飛んでいるから雨が来るのかな、とか、
周りを観察するようになり、
周りを観察するようになると、
自分へとばかり向かっていた意識が外に向くようになり、
今あることを味わえるようになります。
その時の旅の前半は悲しく辛かったことばかり思い出していましたが、
途中からストップすることを試し出し、
後半は意識がどんどん外に向かい、
地球ってなんて美しいのだろう！と思うようになりました。
頭で上映されるものが辛い、何とかして！
辛い経験があるせいだ、不安な未来があるせいだ！と、
何かのせいにしてそれをどうにかしようとしても、
過去は過去ですし、未来は未定ですし、
誰にもどうにもできません。
辛く感じることがイヤなら、
自分で上映を止めればすむことです。
なのに私たちの頭の映画館はずっと放映しっ放しであることに
なかなかみんな気づけないでいるのですね。
でも気づけば止めることができ、
自分一人で見ていたおもしろくもない映画は
いつでも自分で止められます。
締め切ってこもっていた部屋から出て、
周りの明るい世界を見てみましょう。
映画は別に上映しなくていいのです。
外にはリアルな世界がいつもあり、
たくさんの美しいものや楽しいことがあるのですから。
自由にリアルな今を楽しみ、そこで生きましょう。
無理に何かを感じよう、楽しもうとがんばらなくても大丈夫です。
素の自分で世界を見るだけで充分です。
だってどうしたって世界は素晴らしいですから。
生きている間に、いっぱい素晴らしい世界を見て帰りましょうね。
明日も素敵なこの世界で生きることを味わえますように
P.S.
過去の悲しい思い出に浸るクセがついていると、
ストップしようとするとエゴが嫌がるかもしれません。
悲しいくせにそこにいたがり、
なんだかそこから出たくないような気がすることがあります。
そんな時は、「もう見ない！」と停止しようとせず、
「試しに今ちょっとの間止めてみよう」としてみると
うまく行きやすいですよ(^_-)☆
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瞑想歴23年 和歌山市在住 北山裕子
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